【私のストーリーvol.1】気がつけば『空間』に夢中だった幼少期

ドールハウス

リカちゃんの家作りに夢中だった幼少期。身近な物を工夫する喜びや、人の気持ちを大切にする学びから「状況は工夫次第で変えられる」と気づいたお話です。

目次

「何よりもまず、空間が気になる」

私はそんな性質を持って生まれてきたような気がしています。

例えば子どもの頃、お友だちとリカちゃん人形遊びをしていた時のこと。

リカちゃん人形の一般的な遊び方といえば、リカちゃんを着せ替えたり髪型を変えたりすることですが
私が夢中になったのは リカちゃんが住む「家」を作ることでした。

リカちゃんを着飾るお友だちの隣で私は黙々と家作り。

それは、おもちゃの家具をただ配置することではなく
私の「手作り」による、家作りです。

爪楊枝に布を巻き付けて ロールカーテンを作り窓に取り付けたり
アーモンドチョコの空き箱を使って引き出しチェストを作ったり
ストローを使って掃除機を作ったり。

身の回りにある物たちを活かして、家具や小物に作り替えることが 私はとっても好きだったんです。

今でも、空間作りになると アイデアがどんどん生まれてきます。

そこにある物が私のアイデアと重なり、まったく違うものに生まれ変わる。

「こうしたら、こうなって、こうなる!」
「じゃあ次は、こうしてみよう!」
作っていると、アイデアがどんどんアップデートされていく。

そして、そんなアイデアを 1つ1つ形にしていくうちに理想の空間が出来上がっていく。

アイデアを活かし工夫をしながら空間作りをするのは 私にとって本当に幸せなことです。

そしてそんな幸せの原体験は 幼少期のリカちゃん人形遊びにありました。

小学生の頃、両親が家を建てました。

やっと、やっと 自分だけの空間が手に入ると思っていたら なんと兄と同じ部屋…。

私はブーブー文句を言いながらも、この状況をどう切り抜けるかを考えました。

工夫さえすれば 自分の空間を作れるはずだと子供ながらに直感していたんだと思います。

そこで私は、机や本棚を使って部屋を仕切ることにしました。
また、天井から布を下げてカーテンにすることで 上部の隙間を埋めることにも成功!

こうして、自分のアイデアで 自分だけの空間を作ることができたのです。

この経験は 「家が建ったと思ったら、兄と同じ部屋を与えられた」 という思ってもみなかった状況から始まりましたが 「どんな状況でもアイデア次第で理想の空間を創ることは可能だ!」 ということを私に体感させてくれました。

 
そして、よくよく考えてみれば 人生にも同じことが言える気がします。

人生って、本当に自分次第でなんとでもなる!

それと同時に 与えられているものでもあると思うんです。

何が与えられるかは 与えられてからしか分からない。

そして、この与えられた人生 いいことばかりじゃないけれど 悪いことばかりでもないのかなと思います。

どんなことも、感謝して、それらを活かして、時には工夫して…。

そんな風に生きていけば 人生は、きっと 自分らしいものになっていくんじゃないかなって思うんです。

兄と同じ部屋を与えられても 工夫次第で、理想の空間を作れたように!

小学校4年生の頃 仲間外れにされる経験をしました。

私、やりたいことがあると我慢ができない子供だったんです。

例えば友達がピアノを弾いている時に 私も弾きたくなったら ピアノを奪ってしまったり…。

そんなことをしているうちに みんなの輪の中に入れてもらえなくなりました。
その時の辛かった気持ち 今でもよく覚えています。

そして、仲間外れの原因は自分にあると捉えていたので 「どうにかしないと」と思いながら1日1日、なんとか過ごしていました。
とてもしんどかったですが 家族には仲間外れにされていることを話せずにいて。

その代わり、家族みんなにお願いして 紙に「頑張って」とだけ書いてもらいました。

そして、その紙に自分でそれぞれの似顔絵を描いて まるで家族から応援してもらっているような メッセージカードを自作しました。 

それは、私にとって 毎日の仲間外れを耐えるための「お守り」でした。

 ひょっとして私は、状況を嘆くことが あまり得意ではないのかもしれないなと思います。

どんなことがあっても乗り越えたくなるので 「どうすれば乗り越えられるだろう」と まずは考えてしまいます。

 そして、その時の私は メッセージカードという「お守り」を作ることを 思いついたのでした。

 私は、お守りに支えられてなんとか4年生を過ごし切りました。

そして5年生に進級すると クラス替えもあったため友達を1から作り直そうと思いました。

仲間外れの経験から 自分の気持ちだけでなく
周りの子の気持ちを尊重する大切さを身をもって学んだので
新しいクラスでは その学びを胸に、生まれ変わった気持ちで毎日を過ごしていました。

そんなある日、校庭で木に登って遊んでいたら なんと落ちて骨折するという事件が。

すぐに病院で手当てを受け学校に戻ったのですが
その時、授業中だったのにも関わらず クラスのみんながベランダから顔を出して 「大丈夫ー?」と声をかけてくれたんです。
それだけでなく 外まで私のことを迎えに来てくれて。

歩くことがままならない私に肩を貸してくれて。 友達と一段一段一緒に階段を登りました。

そしたらポロポロと涙が出てきて。

なんでこんなに優しくしてくれるんだろうって思いました。

そして、人って優しくされると こんなに嬉しいんだって知りました。

その優しさを感じれば感じるほど涙は出てきたけれど
なんとなく、涙を隠したくて ずっと下を向いて歩いたことを覚えています。

あの時、肩を貸してくれた子は 今でも大切な大親友。

 人の優しさ、思いやりの力を心と体いっぱいに感じて
私も、そんな風に 人に優しさを伝えられる人間になろうと 思ったのでした。

続く…

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